私は、三重県にある相可高校食物調理科を卒業してすぐ、地元のフランス料理店に入社しました。 5年経ち、ソムリエを受験できる時期となりましたが、ワインの事はまったく何も知りませんでした。 店にはシェフをはじめ、スタッフにもたくさんのワイン好きがいます。店の中でのワインの話、興味はあるのに、中々入り込めない状態でした。勉強したいと思っているのに、手に付かない、のめり込めない状態…
去年、先輩がソムリエ試験に合格し、店のみんなで大喜びしました。合格した時の先輩を見た瞬間、来年私も受験すると決めました。 高校を出て、自分は何が出来るようになった?進歩出来ている?と考えている時期でした。もちろん他の事では一生懸命学んできたけれど、他のお店に行った時通用するのか、と考えていました。 フランス料理店で働いているから、まわりの色々な方からワインの事を聞かれたりします。でも何も分かりませんでした。ワイングラス1杯も飲めなかったのです。 こんなに何も知らない、飲めないのにソムリエ試験!?皆が驚いたと思います。無理だと思っていたでしょう。 店には何人かのソムリエがいます。おいしくワインを飲み、みんなで楽しく語る。こんなワインがあった、あんなワインがあったと話す。そうなりたいと憧れを持っていました。 だからソムリエになりたいと思ったのです。
お店を持つためにコツコツ貯めていたお金をソムリエの塾に使って通いました。 ソムリエになりたいと決めると、今まで、手につけられなかった勉強がどんどん進むようになりました。どんどん楽しくなりました。自分でも驚いたのが、ワインがとてもおいしく思えるようになりました。 今までは食事をしに行っても何も飲まなかったのですが、ワインの事を知り、食事の楽しみが増えました。 仕事の合間、仕事が終わってから、ファミリーレストランで朝方まで勉強…しんどい時期もありました。 今思い返すと、どんな事も、この頑張ってきた期間、人生の中であって良かったと思える日々になったように思います。
『頑張れば出来る』
これから挑戦していくたくさんの事に、大きな自信がつきました。合格発表の日、店のみんながソワソワしてくれました。合格を知った時、大泣きしました。 周りの人の協力があった事、応援してくれた事、心から感謝しています。 もちろんソムリエを取ってからが勉強です。素敵なソムリエを目指して頑張ります。
去年は合格する先輩を見ている立場、今度は後輩が受けたいと思える「ソムリエ」になりたいです。